かつての遠すぎる思い出は
蜃気楼の空虚さだけを僕に教えて
けれども幾星霜を経た今になって
僕は君を想って泣いている

嗚呼愛しき君よ
春のかすみの可憐な花よ
その温もりは健在だろうか
恋色の味のするあの唇は
未だ渇いていないだろうか

生暖かい雨に打たれて
遠くを見ているだけの僕には
君を安ずることしか出来ないけれど
でも君は笑うだろうか
僕は君を想って泣いている

嗚呼はかなき君よ
麗しき桃花の妖精よ
その眼差しは壮健だろうか
風に舞い散る花弁を数えた
あの大切な日々を忘れてはいないだろうか


嗚呼、君よ
ただ無垢であれ
汚れなき涙のしずくで
僕の心を洗い流して
全ての辛さを消し去る程に

嗚呼、君よ
ただ幸福であれ
その慈愛に満ちた微笑みで
僕の後悔を焼き尽くして
全ての戒めを解き放つ程に